自筆証書遺言


Q.自筆証書遺言はどのような方式ですか。

 

A.

遺言書をすべて自分で作成する方式の遺言です。

 

1.作り方

遺言を書く人が、その内容の全部を手書きで作成する方式です。

遺言の本文に加えて、作成した日付と氏名も自筆で記入し、印鑑を押さなければなりません。

ワープロで作成することはできません。

(1)紙の様式

遺言を書く紙について、原則として制約はありません。

ただし、自筆証書遺言書保管制度を利用する場合は、次のような制約があります。

・A4サイズ

・余白を設ける(上部余白・右側余白:5mm以上、左側余白:20mm以上、下部余白:10mm以上)

・縦書き横書きは問わない

・各ページにページ番号を記載する

・片面にのみ記載する

・数枚にわたる場合でも、綴じ合わせない

(2)印鑑の種類

制約はありませんが、インク補充式(シャチハタ)や100円ショップで購入できるような印鑑(三文判)は、避けた方よいです。 

(3)例外

自筆証書遺言に別紙として「財産目録」をつけるときは、「財産目録」については自筆でなくても認められます。

「財産目録」とは、遺産(相続財産)の一覧です。

遺産となる財産が多数ある場合は、手書きの負担を減らすことができます。

財産目録の各ページには、署名押印しなければなりません。

(4)遺言書の訂正方法

遺言者が、訂正する場所を指示し、変更した旨を記載して署名し、変更した場所に押印する必要があります。

法律で定める方法で訂正しないと、訂正したことが認められません。

訂正箇所があると書面が読みにくくなり、また、訂正の有効性について紛争になる恐れもありますので、最初から書き直した方がよいと考えます。

 

2.自筆証書遺言のメリット・デメリット

(1)メリット

A.簡単に作成できる。

B.遺言書の存在や内容を秘密にすることができる。

C.費用負担が少ない。

D.自筆証書遺言書保管制度を利用した場合、家庭裁判所の検認が不要となる。

(2)デメリット

A.方式の不備や文言の解釈で紛争になる可能性がある。

B.目が見えない人や字を書くことができない人は作成が難しい。

C-1.自筆証書遺言書保管制度を利用しない場合、

あ)発見されない恐れがある。

い)紛失や隠匿、偽造、変造の恐れがある。

う)家庭裁判所の検認手続きが必要となる。

C-2.自筆証書遺言書保管制度を利用した場合、

あ)本人が法務局に出向かなければならない。

い)保管や閲覧などを申請する際に費用が発生する。

 

 

黒岩昭司法書士・行政書士事務所

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